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人体の機能調節や維持に不可欠なのがミネラル。微量栄養素であるこのミネラルのうち、必要不可欠となるのが16種類の必須ミネラルである。
ビタミンとミネラルの大きな違いは、ビタミンは元素が結合して作られた有機化合物なのに対して、ミネラルは元素そのものということ。ビタミンのなかには体内で合成できるものもあるが、ミネラルは元素であるため、体外から取り込むしかない。だから、日々の食生活が非常に重要になってくる。また、ミネラルの大きな特徴として、必要とする量と、身体に害を及ぼす量とが非常に近いということ。なので、食材に含まれる量を知り、適量を摂取していくことが大切である。
ミネラルの体内での仕事は大きく分けて4つある。
①体液の浸透圧やpHの調節
②神経、筋肉の正常化
③酵素の働きのサポート
④骨、血液などの構成成分
16種類の必須ミネラルをバランスよく摂ることにより、身体の機能が正常に保たれ、健康を維持することができる。ミネラルのことを良く知り、バランスよい摂取を心がけよう。
人が生きていくうえで、絶対に欠かすことが出来ない栄養素『ビタミン』。人間が必要とするビタミンは13種類あり、それぞれが身体の機能を正常に働かせることを仕事としている。
ビタミンはその性質によって大きく2種類に分類することが出来る。水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンだ。
【水溶性ビタミン】その名のとおり、水に溶けるビタミン。使われなかった分は尿と一緒に排泄されるので毎日摂る必要がある。
【脂溶性ビタミン】油脂やアルコールに溶けやすい性質を持つ。身体に溜まるので、過剰摂取には注意が必要である。
また、13種類の必須ビタミンの他にビタミンとよく似た性質を持つ「ビタミン様物質」がある。例えば、抗酸化作用があるコエンザイムQ10やリポ酸。胃酸の分泌を制御するビタミンU。毛細血管を強化するルチン。脂肪肝を予防するコリン。細胞膜を構成するイノシトールなど。
ビタミンは身体を保っていくためにとても大切な栄養素である。過不足のないようにしっかりと摂取するように心がけたい。
【働き/役割】Vitamin D
骨の形成に欠かせないカルシウム、リンの吸収に関与
◎脂溶性
◎1日の摂取基準量:成人男性5μg RE 成人女性5μg RE 上限50μg
骨の形成に必要不可欠なのがカルシウムとリン。これらの吸収をサポートするのがビタミンDなのである。ビタミンDは、肝臓と腎臓で活性型ビタミンDに変換される。この活性型ビタミンDが腸でカルシウムやリンの吸収に関与するのである。また、ビタミンDはこれらのミネラルの吸収率を高めるだけではない。カルシウムの量が多ければ骨に蓄積させ、少ないと骨を溶かして必要な場所に送り、ミネラルの量をコントロールも行っている。欠乏すれば、骨が弱くなるし、幼児であれば成長障害に陥る恐れもある。ただし、過剰摂取してしまうと、吐き気、下痢、脱水症状、高カルシウム血症を引き起こしてしまうので注意が必要。
- キクラゲ
カルシウムの体内への呼吸を促す。紫外線を浴びることでも生成できるが、キクラゲでさらに補強。
【働き/役割】鉄(Fe/Iron)
血液中にあるヘム鉄が全身に酸素を運んでくれる
◎1日の摂取基準量:成人男性7.5mg 成人女性10.5mg 上限40~55mg
鉄は体内に1番多くある金属元素である。成人で約4gの重量にもなる。鉄もカルシウムと同様に機能鉄と貯蔵鉄に分けることができ、約60%が機能鉄で、赤血球のヘモグロビンにヘム鉄として取り込まれ、全身に酸素を運んでいる。鉄不足になると、全身に酸素が行き渡りにくくなるので眩暈、貧血、食欲不振などの状態に陥ってしまう。鉄は体内で再利用されるので、排泄される量はきわめて微量。女性は月々の生理で出血するので少し排泄量は多くなる。鉄の吸収性は悪く、約8%程度。腸内にはフェリチンという貯蔵鉄があり、これが鉄の吸収を調整しているため、必要以上に吸収されることもない。ただし、あまり過剰摂取すると肝臓に障害が生じるので注意が必要。
- シジミ
シジミ、アサリ、レバーなどに豊富な鉄。とくに女性は月経によって失われやすいので意識的に補給したい。 - レンズ豆
タンパク質やビタミンB群、鉄が豊富なレンズ豆は、野菜とともに煮込んでスープなどにすると摂りやすい。 - 豚レバー
レバーの中でも最も鉄が含まれているのが豚レバー。ここ一番の仕事のときのお助け食材だ。 - 牛もも肉
これ以上ないくらい良質なタンパク源である牛の赤身。鉄もたっぷり含まれているので、本気のアスリートには最適。 - アサリ
ウェイトを落としつつ貧血を予防したいというランナーにとってありがたい食材。手間のかからない水煮缶でも可。
【働き/役割】セレン(Se/Selenium)
活性酸素対策の最後の砦となるミネラル
◎1日の摂取基準量:成人男性30~35μg 成人女性25μg 上限350~450μg
人の身体は活性酸素による体内の酸化(身体の錆びつき)に無抵抗なわけではない。スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)やカタラーゼなどの酵素が活性酸素を分解している。しかし、それだけで全ての活性酸素が除去できるわけではなく、残った活性酸素は血中や細胞の脂質を酸化して過酸化脂質に変性させてしまう。この過酸化脂質を無害化するのがグルタチオンペルオキシターゼで、その主成分がセレンなのである。すなわち、セレンは活性酸素対策の最後の砦なのである。このセレンはビタミンEと一緒に摂取することで抗酸化作用がよりアップし、老化や癌を予防できるということでも注目されている。しかし、あまり摂り過ぎると毒性が生じるため、脱毛、下痢、嘔吐を引き起こすことがあるので注意しよう。通常の食事ならば摂り過ぎるということはない。
- イワシ
イワシは香草焼きにすると、イワシに含まれるセレンとポテトや紅花油に含まれるビタミンEがあいまって、抗酸化の働きや免疫力はより高まる。
【働き/役割】カルシウム(Ca/Calcium)
近年の食事では不足しやすい。骨のために積極的に摂ろう。
◎1日の摂取基準量:成人男性650mg 成人女性600mg 上限2,300mg
カルシウムは体内で貯蔵カルシウムと機能カルシウムに分かれる。99%が貯蔵カルシウムとして骨や歯に留まり、残りの1%が機能カルシウムとして血液中に溶け込んでいる。機能カルシウムは筋肉を動かすときに使われたり、血液凝固や精神安定のために働く。機能カルシウムが不足すると、骨にある貯蔵カルシウムが放出され、血液中のカルシウム濃度が一定に保たれる。そのため、カルシウム不足が続くと、骨のカルシウムが減り、骨軟化症や骨粗鬆症を引き起こしてしまうのである。カルシウムは腸で吸収されるが、100%吸収されるわけではなく、食品によって吸収率は異なる。牛乳で50%、小魚で30%、緑黄色野菜で20%程度である。近年の食事はカルシウム不足の傾向なので、積極的に摂ろう。
- 干しイワシ
骨ごとバリバリ食べられる丸干しのイワシは、カルシウムの宝庫。ストレス時の晩酌のお供に。 - 納豆
大豆製品はカルシウムとマグネシウムをバランスよく含む食材。とくに納豆には胃腸の働きを助ける酵素も豊富。 - ヒジキ
海藻類の中では抜群にカルシウムの含有量が高いヒジキ。食物繊維も豊富なので、ダイエット時は常備食としたい。 - 小魚
カルシウム補給のために、魚はできれば頭から尻尾まで食べたい。その点、シシャモは優良食材。 - イワシみりん干し
骨ごとバリバリ食べられる、カルシウムたっぷりのイワシのみりん干し。酒のつまみばかりでなく、おやつ代わりに。 - 木綿豆腐
筋肉の痙攣を予防するカルシウムが豊富な食材、木綿豆腐。ヘルシーなタンパク源でもある。
【働き/役割】Vitamin C
コラーゲンの生成に不可欠、美肌を作り出してくれる
◎水溶性
◎1日の摂取基準量:成人男性100mg 成人女性100mg
皮膚の下層に張り巡らされているコラーゲン。このコラーゲンの生成に不可欠な栄養素がビタミンCである。コラーゲンは細胞の結合を強化して、肌に張りを持たせる役割がある。たま、シミの元であるメラニン色素の生成を防ぐ仕事も担っている。そう、『美肌を保つにはビタミンC』なのである。また、ビタミンCには強い抗酸化作用がある。動脈硬化、心筋梗塞のリスクを軽減してくれる。さらに、このビタミンCはストレスを回避してくれる効果もある。人がストレスを感じると、抗ストレスホルモンであるアドレナリンを分泌して血圧を下げたり、血中の糖質を増やして防御に入る。このアドレナリンの生成で、ビタミンCが多量に消費されるのだ。ストレスの多い現代社会、ビタミンCをしっかり摂ろう。
- 赤ピーマン
生野菜だけでなく、さっと加熱すれば補給量が増やせる。 - グアバジュース
グアバ1個に含まれているビタミンCは132mgとかなり多い。食欲がないときはジュースなどで補給を。 - オレンジ
オレンジをはじめとする柑橘系のフルーツに豊富。朝食抜きが当たり前という人は朝1個のオレンジを。 - ブロッコリー
緑黄色野菜の代表格「ブロッコリー」にはビタミンCの他、体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンも豊富。 - キーウィ
キーウィに含まれるビタミンCは、コラーゲンの生成を助け、靭帯を強化する。捻挫予防に最適。 - アセロラジュース
怪我の予防に欠かせないビタミンC。アセロラジュースのその含有量は、食材の中でも随一。
【働き/役割】カリウム(K/Kalium)
ナトリウムを排泄させ、細胞の浸透圧を調節する
◎1日の摂取基準量:成人男性2,000mg 成人女性1,600mg
体液の主要成分であるカリウムとナトリウム。カリウムは細胞外で、ナトリウムは細胞内で、それぞれ一定の濃度を保つことで細胞の浸透圧を維持している。カリウムの働きはナトリウム量の調整。細胞内のナトリウム濃度が上がると、水分とともに細胞の外へ出す。そして、腎臓で再吸収されるのを防ぎ、尿として排泄させるのである。また、細胞内の酵素反応を調節する役割を持ち、筋肉でのエネルギー作りにも貢献している。カリウムが不足すると体内のナトリウム量が増えて、高血圧を引き起こしてしまう。さらに、筋肉でのエネルギー供給が破綻し、筋力が低下したり、痙攣を起こしたりもする。カリウムは汗とともに体外へ出てしまうので、夏場に運動するときは注意が必要。
- 昆布
昆布はカリウムが豊富な食材。調理用の出汁の素として、また加熱調理で失われやすいので、刻んでそのまま食してもよい。 - トマトジュース
トマトジュースに含まれるカリウムには、筋肉の収縮をスムーズにする役割が。朝一杯の習慣に。
【働き/役割】亜鉛(Zn/Zinc)
新陳代謝を促し、生殖機能にも関与する
◎1日の摂取基準量:成人男性9mg 成人女性7mg 上限30mg
鉄に次いで体内に多く蓄えられているのが、この亜鉛。全身に分布していて、合計で2~4gほどになる。亜鉛の働きは実に多彩。第一に細胞の新生を活発にして新陳代謝を促進させる。次に骨や皮膚の発育を促し、免疫力を高めてくれる。そして、この亜鉛は生殖機能とも関連が深い。女性ホルモンの分泌を活性化させたり、男性であれば精子の生成に欠かせない金属元素なのである。また、舌にある味を感じる味蕾という細胞の形成にも亜鉛は深く関わっている。偏食や加工食品ばかりの食事を摂っていると、亜鉛不足になる。その結果、貧血や味覚障害、皮膚炎などが引き起こされる。また、成長期の子供は成長障害になる場合もある。但し、一度に大量摂取(2g以上)すると中毒になる恐れもあるので注意が必要。
- スルメ
亜鉛はビタミンAの代謝、コレーゲンの生成に必須。これを豊富に含むスルメはダイエットに有効な低カロリー食材。 - 岩ガキ
欠乏状態が続くと、脳の情報伝達が損なわれ、記憶力や学習能力の低下が見られる亜鉛。夏場は岩ガキなどから摂取しよう。
【働き/役割】Vitamin B12
不足すると赤血球が減少、貧血になる恐れもある
◎水溶性
◎1日の摂取基準量:成人男性2.4μg 成人女性2.4μg
遺伝物質である核酸のDNAを生成する葉酸。この葉酸を助け、細胞分裂を促したり、神経系の働きを正常に保つのがビタミンB12である。そして、もう1つ葉酸とペアを組んで赤血球の生成を行う役割がある。この役割を担っているためビタミンB12と葉酸は「造血ビタミン」とも呼ばれる。ビタミンB12が不足すると赤血球になる前の細胞・赤芽球が肥大化して、正常に機能しなくなる。そうなると、赤血球が減って貧血を起こすようになるのだ。貧血といえば鉄不足と思う人は多いが、葉酸やビタミンB12不足でも陥ってしまう症状なのである。しかし、ビタミンB12が不足することを、それほど心配する必要はない。腸内の細菌によって体内で合成されるからだ。極端な偏食でもなければ問題ない。
- サンマ
サンマにはビタミンB6、B12が豊富に含まれる。
